アワード
第11回新千歳空港国際アニメーション映画祭のコンペティション部門入選作品のなかから、国際審査委員による厳正な審査を行い、各賞を決定いたしました。
Zima
Tomek Popakul, OZEKI Kasumi
トメック・ポパクルはウッチ映画大学で演出、アニメーション、特殊効果を学んだ。彼の映画デビュー作『Ziegenort』は世界各地の多くの映画祭で上映された。彼の作品『Acid Rain』は35の賞を受賞し、90ほどの映画祭で上映されて、権威あるアニー賞にノミネートされ、アカデミー賞候補となった。ケーブルテレビ局HBOのコロナ・パンデミック・アンソロジー「At Home」のために、短編ハイブリッド・アニメーション『The Moon』を制作。『Acid Rain』、『The Moon』、そしてこの『ZIMA』はOZEKI Kasumiと共同制作した。
- 授賞理由
- 少女の怒りと悲しみ。凍てつく冬と、閉鎖的な村社会。シンプルな描線で描かれたこの物語は、驚くべき臨場感で僕の心に飛び込んできた。不穏な導入部分、そしてソリのシーンの迫力!アニメートのうまさに加えて、巧みなストーリーテリング。少女の蹴った氷のカケラがチラチラと赤く光る時、これから起こる惨劇の予感にただ震えるしかない。僕は今凄いものを見ているという確信、興奮。文句の付けようがない。審査会議、満場一致の大傑作です。
みじめな奇蹟
折笠 良
1986年生まれ。茨城大学教育学部、イメージフォーラム映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で学ぶ。『水準原点』(2015)は、ザグレブ国際アニメーション映画祭2016ゴールデンザグレブ賞、第21回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞など、国内外で数多くの賞を受賞。『みじめな奇蹟』(2021)はフランス、カナダ、日本による国際共同製作で、カナダ国立映画制作庁(NFB)で作品を制作した2人目の日本人監督となった。
- 授賞理由
- 日本グランプリに選ばれた作品をご紹介でき、審査員一同、光栄に思う。本作は紙に描かれたアニメーションの手法に対する熱意が広がり限界を押し広げ超えている。おそらく、紙に書かれた、と言うべきかもしれない。言葉が大海に流れ込み、文字と線の美しい爆発が形を変え、詩の中に詩を重ねていく。折笠 良監督の「みじめな奇蹟」を日本グランプリ受賞作品として発表でき非常にうれしく思う。
Sweeter is the Night
Fabienne Wagenaar
ファビエンヌ・ワーヘナールはフランスのエコール・エスティエンヌとストラスブール国立高等装飾美術学校でイラストレーションを学んだ後、ドイツのハンブルク応用科学大学との交流プログラム中に動画へと方向を転換。続いてフランスのヴァランスにあるアニメーション映画学校ラ・プードリエールに進み、2014年に卒業した。パリを拠点に個人プロジェクトと、委嘱された映画やテレビ番組の監督、助監督、グラフィック・デザイナーやセット・デザイナーなどの仕事を代わる代わるこなし、さらに出版社や法人向けにイラストレーションのデザインも行っている。
- 授賞理由
- 美しい絵の層の下に何かが隠されている…ずっと昔に起こった恥ずべき何か、だが昨日も起こりえたかもしれない何かだ。
The Wild-Tempered Clavier
Anna Samo
アンナ・サモはモスクワで生まれ、ドイツのポツダムにあるコンラート・ヴォルフ映画テレビ大学でアニメーションを学び、現在はニューヨークが拠点。独立系の映画作家として多様なアナログ・アニメーションのテクニックを使い、エモーショナルで詩的な作品を作り出している。近作の『お盆』、『The Opposites Game』、『Conversations with a Whale』は世界各地の映画祭で上映され、賞を受賞した。
- 授賞理由
- 技術と繊細な素材を大胆に前面に押し出した映画を高く評価したい。同時に難しい現状について容易に言及している。
O/S
Max Hattler
マックス・ハトラーの実験的アニメーション作品は、抽象と具象、美学と政治、音と映像、正確さと即興の関係を探求している。Goldsmiths大学でメディアとコミュニケーションの学士号、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでアニメーションの修士号、イースト・ロンドン大学で美術の博士号を取得。Sonar Hong Kong、ソウル市立美術館、ミラノ万博、ヨーロッパ・メディア・アート・フェスティバルなどでライブ・パフォーマンスを行っている。香港城市大学クリエイティブ・メディア学部教授。
- 授賞理由
- 初めて審査員に任命され、覚悟をもって臨んだ今回の新千歳。11回目を迎えたこの映画祭で、僕は様々なスタイルを持った、素晴らしい作品達に出会った。そこには、ハッとするビジュアルイメージがあった。卓越したテクニックがあった。今向き合わねばならない現代的なテーマがあった。そしてなにより、皆情熱に溢れキラキラと輝き眩しかった……! 悩みに悩み抜いた末、僕の審査員特別賞は、原点に立ち返り純粋に自分の好みで作品を選んだ。クールでスタイリッシュ、シンプルな画面構成。好きだ。完全に僕が好きな世界だ。あの光の洪水に、僕はずっとトリップしていたいと思った。
A Crab in the Pool
Alexandra Myotte, Jean-Sébastien Hamel
アレクサンドラ・ミョッテとジャン=セバスチャン・アメルはモントリオールを拠点とする脚本家兼監督のコンビ。賞を獲得した彼らのアニメーション短編映画とウェブ・シリーズは、世界中の多数の映画祭で上映されている。近作の『No Title』(2021年)は2021年のエドモントン国際映画祭での最優秀カナダ短編映画賞などを含む複数の賞を受賞。2022年のIRIS賞の最優秀短編アニメーション映画賞にもノミネートされた。
- 授賞理由
- 私が選んだ選外佳作の作品を発表できてうれしく思う。深い悲しみと哀悼、そして現実逃避に向かう人間の傾向を描いた感動的なアニメーション作品でアレクサンドラ・ミョッテとジャン=セバスチャン・アメルによる「A Crab in the Pool」だ。
Glass House
Boris Labbé
タルブ芸術・陶芸学校を修了した後、アングレームのアニメーション専門学校EMCAで学んだボリス・ラベ(1987年フランス生まれ)の作品は、瞬く間に現代美術展、国際映画祭、オーディオビジュアル・コンサートなどで取り上げられるようになる。最新の短編映画『La Chute』は、2018年カンヌ映画祭・批評家週間の特別セッションに選出された。2020年には振付師アンジュラン・プレルジョカージュとのコラボレーションで、『白鳥の湖』のビデオセットデザインを手がける。現在はバーチャルリアリティ・プロジェクト(Ito Meikyu、サクレブルー・プロダクションズ制作)を進行中。
- 授賞理由
- 作品が驚くべき革新で、AIがこんなに多様に活用できるとは思いもよらなかった。感知の方面が非常に豊かで、非物語表現でこれほど長い時間持続しても飽きることがないのは本当に貴重だと思います。いくつかのシーンは非常に衝撃的でまるで夢の中にいるのではないかと疑うほどでした。間違いなく傑作だと思います。
ルックバック
押山清高
アニメーション監督/アニメーター/株式会社ドリアン
『風立ちぬ』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『借りぐらしのアリエッティ』『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』など多数の作品に携わり、『フリップフラッパーズ』で初監督。株式会社ドリアンを設立しオリジナル短編アニメーション『SHISHIGARI』を監督。MIFA2019で「押山清高の作画添削教室 break the rule」を開催。著書『押山式作画術 神技作画シリーズ』『作画添削教室 神技作画シリーズ』がある。
- 授賞理由
- 58分という中・長編映画では比較的短い上映時間の中で、この映画はそれ以上のエモーションを与えてくれた。 絵、色、声、音楽、音、背景。 それらが作品の隅々まで非常に高いレベルで行き届き、没入感に繋がっている。 映画は総合芸術である事を深く認識すると共に、監督は新たな裾野を切り開いてくれたように思う。
Such Miracles Do Happen
Barbara Rupik
1992年生まれ。パペットとミクストメディアの手法を専門とするアニメーション映画監督。カトヴィツェの芸術アカデミーとウッチのポーランド国立映画テレビ演劇学校を卒業。第72回カンヌ国際映画祭シネフォンダシヨン部門で第3位を受賞した短編映画『The Little Soul』(2019年)などを手がける。また、アグニェシュカ・スモチンスカ監督による長編映画『サイレント・ツインズ』(2022年)のストップモーション部分も担当した。
- 授賞理由
- アニメーション史上、真剣に信仰を取り上げた映画はごくわずかで、同時に人の心をとらえることに成功した作品は本当に珍しい。非常に魅力的なストップモーションアニメーションのおかげだ。
Air Lock
Joshua J Shaffner
ジョシュ・シャフナーは映画作家でビジュアル・アーティスト。モンタナ大学で2005年に絵画&ドローイングの美術学士号を、カリフォルニア芸術大学で2015年に実験的アニメーションの美術修士号を取得した。2012年の『The Rehabilitation of Sleep』、2014年の『Flaws』、2015年の『Service』などを含む短編映画の作者兼アニメーターであり、2023年の最新作『In Dreams』は現在各地の映画祭を巡回中だ。モンタナ州のミズーラとカリフォルニア州のロサンゼルスを拠点としてジョシュは教育者、フリーランスのアーティストとして活動している。
縁は風のように吹く
Eric Lee
エリック・リーが2012年に設立したMorph Workshopは、インデペンデント短編映画制作に特化したアニメーションスタジオである。2012年以降、6本の短編アニメーションを制作し、その全てが世界各国の国際映画祭に選定されている。
おばあちゃんの梨
Shadab Shayegan
イランのテヘランで生まれたシャダブ・シャイエガンは、早い時期から創造性の探求を始めた。18歳でウィーンに渡り、国立音楽大学で作曲を学ぶ。作曲を試すうちに、映像と音を組み合わせることに興味を持つようになり、アニメーションの世界に足を踏み入れる。その情熱に突き動かされ、ウィーン応用芸術大学のアニメーションと絵画の授業を受講。さらにスキルを磨くため、シャダブはドイツのルートヴィヒスブルクにあるバーデン・ヴュルテンベルク映画大学でアニメーション監督を目指し、そこで卒業制作の『Pear Garden』に取り組んだ。
パーキングエリアの夜
村本 咲
1988年静岡生まれ。2011年名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科卒業。2013年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。現在フリーランスのアニメーション作家、イラストレーターとして活動中。
縁は風のように吹く
Eric Lee
エリック・リーが2012年に設立したMorph Workshopは、インデペンデント短編映画制作に特化したアニメーションスタジオである。2012年以降、6本の短編アニメーションを制作し、その全てが世界各国の国際映画祭に選定されている。
- 授賞理由
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《本賞は、映画祭実行委員会事務局から、全ての応募作品のうち、日本を含むアジア地域で制作された優れた作品に授与します。》
再開発により変わりゆく街とそこに住む人々の心象を、背景美術とキャラクターの絵柄のギャップや幻想的なストーリーラインなど、アニメーションならではの手法によって巧みに際立たせています。鑑賞者それぞれの原風景を呼び起こす作品です。
擬似的風光研究 -煙の地-
大島慶太郎
2004年北海道教育大学大学院修了。2012年ケルンメディア芸術大学特別研究員。札幌市在住。『動画構造の解体と再構築』をテーマとして映像作品の制作及び、表現研究に取り組む。近年は古写真や絵葉書などのビジュアル資料を素材として扱いファウンドフッテージの現代的な展開を探究している。また、上映会の企画やプリミティブな手法を基軸とする映像ワークショップなども手がける。作品の主な上映・展示に、オーバーハウゼン国際短編映画祭、モスクワ国際実験映画祭、ドレスデン国際短編映画祭、ロッテルダム国際映画祭、新千歳空港国際アニメーション映画祭、イメージフォーラムフェスティバル、苫小牧市美術博物館中庭展示「MONOGRAMS」、北海道立近代美術館特別展「北海道151年のヴンダーカンマー」など。現在、北海道情報大学情報メディア学部准教授。
- 授賞理由
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《外務大臣賞は、コンペティション入選作品のうち、社会的な歩みを魅力的に反映した寓話的優秀作品に授与します。》
千歳市と苫小牧市にまたがる樽前山は、活火山として過去の噴火に関する資料が残っています。本作品はそれら郷土資料に映る事象だけではなく、資料が積み重ねた時間あるいはその時代の質感にもクロースアップし、煙の中に「この国に確かにあったもの」の輪郭を浮かび上がらせます。
プチプチ・アニメ「春告げ魚と風来坊」
八代健志
CM制作会社太陽企画㈱にて、CMディレクターとして実写を中⼼に活動する傍ら、様々な⼿法のストップモーションアニメーションを扱ってきた。2012年から本格的に⼈形アニメーションの制作を開始。2015年、太陽企画内にアニメーションスタジオTECARAT(テカラ)を⽴ち上げ、現在は⼈形アニメーションを軸⾜に活動している。脚本・監督とともに、美術制作、アニメート、⽊彫による⼈形造形なども⼿がける。⼿から作り出される美術の素材感を⼤切にして、ストップモーションアニメーションならではの映像を⽬指している。
- 授賞理由
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《観光庁長官賞は、インターナショナルコンペティション入選作品で、こどもを含む青年から広く対象とした中のうち、卓越した表現の中でも光る現代性を感じる作品に授与します。》
日本には四季があり、季節の移り変わりを肌で感じることができますが、冬を越え生命が芽吹く春の訪れはとりわけ神秘な気配に満ちています。本作品では屋外でのコマ撮りアニメーションによって、移ろう日の光と空気までがフィルムに閉じ込められています。
マリア・エクス・マキナ
杉本直樹
1992年北海道生まれ。主な作品に『常世の国』『焔ノ天原』などがある。『盆ダンス』で合作したあいこ氏と『野川と自然』を制作した。
- 授賞理由
- 無機質で現実感のない、終わらない悪夢のような情景の中で、いくつかの奇妙なモチーフが繰り返し描かれます。時に恐ろしく、不穏で、心をざわつかせる演出が光る緊張感のある映像は、現代に生きる人々が日々抱える閉塞感や不安を投影しながら、混迷する物語を収束へ導く解法を暗中模索する人間の力強さもまた示唆しています。
Happy Green
Sonnyé Lim
ソニエ・リムは韓国系アメリカ人の独立系アニメーターで、ニューヨークのクイーンズ区の出身。作品では自然と観察者の密接な関係を掘り下げ、しばしばマクロレンズと接写を用いて全ての生き物の重要さと美しさを際立たせる。
- 授賞理由
- この世界の生命の営みはランダムのようで実は法則性や規則性があり、それらは、互いに影響し合い循環しています。それらを覗き込む時、私たちは「ただ生きて廻るだけ」の世界の美しさに触れ、多幸感に包まれます。
group_inou “Happening”
AC部
1999年、多摩美術大学在学中に結成した、濃厚かつハイテンションな作品づくりが特徴のクリエイティブチーム。「ユーロボーイズ」が、NHKデジタルスタジアム年間グランプリを受賞したのを機に、テレビ、CM、MVなど様々な媒体で創作活動を開始する。クライアントワークをコミッションワークと捉え、様々な媒体において、斬新で実験的な作品を発表し続けている。時を経ても新鮮かつ唯一無二な作風で視聴者に予期せぬ奇妙な感情を提供するという明確なコンセプトを持ち、彼らはそれを「違和感」と呼んでチーム内で共有。近年では、その活動自体が現代アートとして再評価されている。主な作品に、MV「group_inou / THERAPY」、「Powder / New Tribe」、「ORANGE RANGE / SUSHI食べたい」、TVアニメ「ポプテピピック / ボブネミミッミ」、TV CM「日清食品ホールディングス株式会社 / カップヌードル味噌 MISO⾷べたい篇」、トレインチャンネル「JR東日本 / 忘れ物防止注意喚起動画」、プロモーション「東京都選挙管理委員会 / TOHYO都」など。
- 授賞理由
- 画面のスクロールに合わせて音楽が流れるインタラクティブなミュージックビデオ/アプリとして制作された本作品は、荒唐無稽に見えて日本カルチャーの面白さを示唆する音楽・映像と共に、日頃の何気ない動作に唯一無二の体験を付加します。
Madeleine
Raquel Sancinetti
ラケルはブラジル系カナダ人の映画監督でモントリオール在住。映画のポストプロダクションの経験を持ち、2013年にコンコーディア大学でフィルム・アニメーションの学位を取得した。以来、彼女は独立系の映画に取り組んできた。最新作でアニメーション・ドキュメンタリーの短編『Madeleine』(2023年)は多数の映画祭(カナディアン・ドキュメンタリー国際映画祭、スラムダンス映画祭、REGARD - サグネ国際短編映画祭)で上映され、エドモントン国際映画祭のベスト・ドキュメンタリー短編賞、ウプサラ国際短編映画祭の審査員大賞を含む11の賞を受賞し、アカデミー賞にノミネートされる資格を得た。
- 授賞理由
- 67歳の年の差がある一風変わった友人二人の旅路には、うまくいかなかったりや思いもよらない不思議な出来事が次々に起こります。ドキュメント映像と人形アニメーション、現実と虚構を行き来しながら、年老いた友人は人生という長い旅路の楽しみ方と美しさを私たちに教えてくれます。
Long Distance
Michael Frei
ミヒャエル・フライは1987年にアッペンツェルで生まれたスイス人の映画作家でゲーム・デザイナー。ルツェルン応用科学芸術大学とタリンのエストニア芸術アカデミーでアニメーションを学んだ。彼の作品『Plug & Play』(2015年)と『Kids』(2019年)は、映画祭の上映作品やYouTube上のゲームとして人気を博した。チューリヒを拠点とする一風変わったプロジェクト専門の制作会社Playablesの共同設立者。
- 授賞理由
- 黎明期のビデオゲームのような最小限のドットと音声だけで表現された、短くシンプルな構成のアニメーション作品ですが、それゆえに登場する2匹のバックグランドへの想像をかき立て、同時に私たち自身の「旅」の思い出をも呼び覚ます高い普遍性があります。
パーキングエリアの夜
村本 咲
1988年静岡生まれ。2011年名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科卒業。2013年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。現在フリーランスのアニメーション作家、イラストレーターとして活動中。
- 授賞理由
- 深夜のパーキングエリアでは様々な人が思い思いに過ごしながら、一期一会の何とも言い難い距離感があります。夜のしんと冷えた空気の中にも、思わずほっこりとした暖かさを感じる、旅の醍醐味と「あるある」が詰まっています。
ゲロゲロ・ショー
Suresh Eriyat
1973年インド生まれ。1997年、アーメダバードの名門国立デザイン学院でコミュニケーション・デザインを専攻。それ以来、彼はアニメーションの分野であくなき努力を続けている。2009年に妻のニリマ・エリヤットと共同でスタジオ・イークザウルスを設立。同スタジオは、映画、テレビ、ウェブ、デジタルプラットフォーム向けのさまざまなメディア制作を手がけている。制作作品は400本以上にも及び、2015年にはインドとしては初めてとなる権威あるアヌシー国際アニメーション映画祭のクリスタルをはじめ、数々の賞を受賞している。
- 授賞理由
- 水辺の生き物たちが夜な夜な繰り広げるショーは、ボリウッド映画さながらの盛り上がりを見せています。リアルタッチながら人間らしくユーモラスな生き物たちが迎えるショーの結末は、リードシンガーの「生き様」と共に、見る者の心に深く残ります。
Element
- 授賞理由
- 正方形という指定された形が活かされ、幾何学形の輪郭にそったカラフル流動体が、まるで無い物体を浮かび上がらせているように見えます。30秒の正方形として完成度の高い抽象アニメーションになっていることが選出の理由です。