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11月21日(金)から25日(火)までの5日間、新千歳空港ターミナルビルを舞台に開催した「第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭」。11月22日に行われたトークプログラム「スタジオ特集:MADHOUSE」では、1972年の創立以来、繊細な演出と作画で、常にその時代を代表する挑戦的な作品を世に送り出してきたMADHOUSEの制作の裏側について、人気2作品の上映とトークプログラムを実施。2027年公開予定の夏目真悟監督『ghost(仮題)』についてもお話いただきました。

第二期が1月から公開を発表!制作の現場から語られる『葬送のフリーレン』
まず冒頭では、TVアニメ『葬送のフリーレン』の第10話を上映。フリーレンとアウラの闘いに決着がつく印象的なエピソードとして注目が集まった回です。
上映後には、監督の斎藤圭一郎さん、演出の刈谷暢秀さん、プロデューサーの福士裕一郎さん、田口亜有理さんが登壇し、その制作の裏側を語りました。
今回刈谷さんに演出を依頼することになった経緯について斎藤監督は「自分にとって重要なキーパーソンでもあった刈谷くんに重要なシーンのどこかを託したいという思いがあった」と話し、刈谷さんは「シリーズの中でもこのアウラ編は何話か続いていく特に盛り上がっていくエピソードだった」と振り返り、特にアウラが自ら首を切り落とすというシーンをどう工夫して見せられるか斎藤監督と刈谷さんで議論したことを明かしました。
刈谷さんは、その作画についてキャラクターの動きを自ら傘を使って実演したり映像に残したりしながら進めたという制作の裏側に触れました。
一方で、田口さんは「その残虐なシーンそのものよりもお話の表現や演出に着目してくれていて。お客さんを信じて良かったなと感じた瞬間だった」と第10話ならではのお話に、観客から熱心な視線が注がれました。

本作品TVアニメ『葬送のフリーレン』は、2026年1月からの第二期放送を発表し、新PVが解禁されたばかり。第二期では新たに北川監督が就任したことについて斎藤監督は「良い作品になるようにサポートしていく」体制と明かしました。「第二期の制作現場から、ご覧いただいたような美しいPVが生まれてきている。ぜひ期待して欲しい」と来場者に呼びかけました。
『ACCA13区監察課 Regards』
後半では、斎藤監督の初監督作『ACCA13区監察課 Regards』の上映と制作エピソードが紹介されました。もともと演出としての参加予定だった斎藤さんが、夏目真悟監督の推薦を受けて突然、監督を任されたという裏話に、会場には驚きの声が上がりました。福士さんはそれについて、「夏目監督が“彼なら現場を託せる”と言ってくれた。結果として、シリーズの世界観を正確に理解しつつも新しい解釈を加えてくれた」と話し、起用の背景を語りました。
斎藤監督は制作を引き受けるにあたり、「まずは本編を勉強し直して、シリーズの空気感を大切にしながら、かっこいいACCAのキャラクターをしっかり魅力的に描くというのを念頭に置いた」と当時の心境を振り返りました。
また、昨年逝去した声優・田中敦子さんへの追悼と感謝の言葉が語られました。斎藤監督は「どんなにキャリアがあっても謙虚で、作品に真摯に向き合ってくれる本当に素敵な方でした」と語り、現場での姿勢を振り返りました。福士裕一郎プロデューサーは、「モーヴやフランメは、作品の核となるキャラクターで。田中さんであったから、それ以上のものを演じていただけた」「田中さんが数々の作品を残してきたこと、お客さんに届けるということを今度は自分たちが引き継いでいかなければいけないと気が引き締まる思い」と話しました。その言葉には、長年ともに作品を作り上げてきたスタッフたちの敬意と、彼女が残した表現への感謝が込められていました。
塩分濃度の高い、大きい海のような人…夏目真悟監督『ghost(仮題)』を語る
TVアニメ『ACCA13区監察課』の夏目真悟監督による初の長編オリジナルアニメーション『ghost(仮題)』が、2027年に公開を予定しています。キャラクター原案を『ACCA13区監察課』の原作者であるオノ・ナツメ先生が手がけ、MADHOUSEが制作を務めます。

トーク終盤では『ghost(仮題)』のパイロット映像がこの場限りで初公開され、現在制作中の様子が語られました。田口さんは「主人公は「ニケ」という少女。信念を貫きながらも、弱さと強さを併せ持ち、不条理な世界に立ち向かう姿が描かれる」と作品について説明し、「主人公が他者との出会いを通して、変わるもの、変わらないものも見つめ直していく。観た人が“本物とは何か”を考えながら劇場を後にするような作品にしたい」、福士さんは「作品の理解や解像度が上がるたびに、なんて面白い作品なんだろうと個人的には思っている。自分が携わった中で最高の劇場アニメーション作品になるのでしっかりと取り組んでいく」と熱を持って語ります。

また、斎藤監督は「夏目監督は尊敬する先輩であり、同時にライバルのような存在」と言い、「でも手伝ってと言われたら嬉しくなって」とこの作品に携わることについて気持ちを語り、「みんなでこの作品を素晴らしいものに仕上げようっていう気概やオーラを感じていただけたら嬉しい」と制作への熱量を感じさせました。
刈谷さんは「夏目監督は塩分濃度の高い大きな海のような人で、そこで自由に泳がせてもらっています。」と独自の語り口で表現し、「夏目さんにしか作れない独自のバランスを持った作品になると思う」と期待を滲ませます。作品の詳細はまだ明かされていないものの、登壇者の言葉からは制作陣の情熱と挑戦心が伝わり、2027年の公開が待ち遠しくなるトークセッションとなりました。

新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会では、2025年11月21日(金) 〜 25日(火)までの5日間にわたり新千歳空港ターミナルビル内で「第12回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」を開催しました。
今年度はコンペティション部門に短編61作品、長編5作品を上映したほか、30Seconds部門8作品を新千歳空港館内サイネージで放映、豪華ゲストを招いた上映&トークプログラム、新千歳空港開港100年を記念した体験プログラムを含めた70以上のプログラムを新千歳空港ターミナルビルで展開しました。
最終日となる本日、グランプリを含むコンペティション受賞12作品の発表と授賞式を執り行いました。
コンペティション短編部門

アニメーションの可能性を最大限に発揮し、総合的に最も優れた作品に贈られるコンペティション短編部門グランプリは、ジョサリン・チャールズ 氏の『ゴッド・イズ・シャイ』が受賞。受賞メダルと賞金100万円が贈呈されます。
国際審査員を務めた西野 氏は、作品について「思いがけない世界へ連れていかれる“心地よい裏切り”が魅力的」と感想を述べ「15分という短さの中で、想像を超える展開を無理なく成立させる手腕が見事で、コンパクトながら引力の強い作品」と評しました。
ジョサリン・チャールズ 氏は、「特別な経験となり信じられない思い。子どもの頃から日本のアニメーションが好きで、非常に大きな影響を受けている。日本を知る最高の方法で来日できたことを嬉しく思う」と受賞の喜びを述べました。なお、この作品は、観客による投票によって決定する観客賞とのダブル受賞となりました。

また、日本制作または日本を制作国に含む作品に贈られる日本グランプリには、水尻自子 氏の『普通の生活』が受賞。審査委員のツァイベイ・ツァイ 氏は、「日常生活の中で、一人の平凡な女性が抱える静かな疲労を鋭く捉えている」と本作を振り返り「“触れること”こそが現実の真の拠りどころであることを示している。それは単に感覚を呼び覚ます以上のものであり、女性の体に対する力強い宣言でもある」と評しました。
水尻 氏は「毎年楽しみにしている映画祭で、素晴らしい作品と一緒に上映いただけて嬉しい。受賞にびっくりしている」と述べました。


コンペティション長編部門

コンペティション長編部門グランプリには、セス・スクライヴァー、ピーター・スクライバヴァー 氏の『エンドレス・クッキー』が選ばれました。審査員のギンツ・ジルバロディス 氏は、独創的なビジュアルで、先住民の経験や歴史的なトラウマ、日常の喜びを織り交ぜた作品として、「軽快でありながら深刻、私的でありながら普遍的というアニメーションが持つ可能性を同時に示している」「愛情に満ちた作品」と評しました。
受賞を受けてセス・スクライヴァー 氏からは「子どもが生まれたばかりで日本に行けなかったが本当に嬉しい」と小さな娘さんと一緒に映る喜びのビデオメッセージが寄せられました。


またこの度長編部門には審査員特別賞として『無名の人生』が選出。審査員のハン・ジウォン 氏は昔ながらの日本のメディアが用いる技法と印象的なレイアウトであると指摘し「長編映画が語りうる最大限の物語を最小限の手法で描いている」と評しました。監督の鈴木竜也 氏は「5月に新宿から劇場公開が始まり各国で上映してもらっているが賞をいただけたのは初めてなので嬉しい。今回3回目の参加でまた作品をつくってここに戻ってきたい」と喜びと感謝を述べました。
全受賞作品および審査員のコメント全文は、アワードページにてご覧いただけます。
☞ https://airport-anifes.jp/competition/awards/
国際審査員シュペラ・チャデシュ 氏「世界に誇る映画祭に育っている」

国際審査員を代表して、シュペラ・チャデシュ 氏から今年の総評として「初年度に参加して以来12年ぶりの映画祭だった。当時は劇場にあまり人がいなく、どうやってお客さんを呼ぶことができるだろうかと思っていた。しかし、たくさんの来場者と素晴らしいトークプログラム、素晴らしいチームで運営されていて、世界に誇る映画祭に育っていると思う」という激励と感謝の言葉で締めくくりました。
最後に本映画祭小出正志実行委員長から、閉会を宣言をして幕を閉じました。
第12回 新千歳空港国際アニメーション映画祭 開催概要
開 催 日 程:2025年11月21日(金)~11月25日(火)
会 場:新千歳空港ターミナルビル(新千歳空港シアターほか)
応募作品数:
○アニメーションコンペティション短編部門
・97の国と地域から応募された2,479作品/ 上映作品数:61作品
○アニメーションコンペティション長編部門
・28の国と地域から応募された63作品 / 上映作品数:5作品
○NEW CHITOSE 30 Seconds 部門
・応募174作品 32の国地域/上映8作品
新千歳空港ターミナルビルを舞台に11月21日より開催している「第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭」では、北海道にゆかりのある作家たちによる最新短編作品を集めた特集「北海道現代アニメーション 2025 + 『轍を越えてゆけ』特別上映」と題した上映・トークプログラムを企画。4作品の上映と作家インタビュー、さらにスタジオDOTによる『轍を越えてゆけ』の特別上映・監督トークが行われました。
第一部:北海道から広がるアニメーションの可能性
プログラムの冒頭では、北海道在住・出身のアニメーション作家4名による新作が上映され、上映後には、3名の作家によるトークが行われました。

『ほしのはなし』の阿部静氏は、幼少期から好きだったドヴォルザーク「ユーモレスク第7番」をモチーフに、「命をテーマにしながらも、悲しみではなく前向きさを描きたかった」と語りました。
『One Last Wish』の黒島亜夢氏は、DADA GAUGUIN氏の楽曲をもとに制作し、「好きなものを貫く気持ちを映像で表現した」とコメント。映像と音楽が響き合う作品に仕上げました。
『アイランド(The Island)』のSora氏は、北海道 利尻島を舞台に取材を重ねて制作したことに触れ、音や自然の描写へのこだわりを語りました。それぞれの作家が、自身の感情や経験をもとに作品を形づくる姿が印象的なトークとなりました。
第二部:『轍を越えてゆけ』特別上映と監督トーク
第二部では、札幌市立大学出身のVab.png監督が手がけた『轍を越えてゆけ』が特別上映されました。本作は昨年の本映画祭プログラム「NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2024」でプレゼンテーション発表した作品で、クラウドファンディングを通じて制作され今年10月にテアトル新宿で公開されたばかりです。スタジオDOTのVab.png監督と、プロデューサーのふたもく氏が登壇し、作品完成までの道のりや制作に込めた想いを語りました。

監督は「子どもの頃に祖母と訪れたこの映画館で自分の作品を上映できたのは感慨深い」と語り、昨年のプレゼン発表から1年を経て完成を迎えた喜びを述べました。
本作はコロナ禍で孤独な大学生活のなか、「青春を取り戻すような気持ちで始めた」というオンライン制作プロジェクト。「アニメを作るために集まったというより、集まるためにアニメを作った」と約100人が制作に参加したことについて監督は振り返りました。タイトルには「悲しみを抱えながらも笑って前へ進む」という想いが込められていると語るその熱量は、観客に強い余韻を残しました。
会場には多くの観客が訪れ、北海道から世界へと発信するアニメーションの可能性を感じる時間となりました。

チェコ・エストニアの作品が受賞
新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会は、2025年11月21日(金)〜25日(火)までの5日間にわたり「第12回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」を開催しています。
11月23日(日)シアター1では、ミュージックアニメーションコンペティションの審査及びベストミュージックアニメーション賞の授賞式を行いました。
本年のベストミュージックアニメーション賞はレーネ・レクシェ氏、ジュリー・チェルナ氏による『Pařezy』が授賞。

本映画祭の特徴の1つである、MV(ミュージックビデオ)をはじめとした、音と動きとのシンクロナイゼーション(同期)を楽しむ「ミュージックアニメーションコンペティション」では、11作品が入選。コンペティション審査員を務めたのは、演出家・アニメーターの斎藤圭一郎氏(2023年TVシリーズ「葬送のフリーレン」監督。2024年劇場総集編『ぼっち・ざ・ろっく!Re:/Re:Re:』監督など)、アニメーション作家の羅 絲佳 <ラ・シカ>氏。来場者と共に全11作品を鑑賞したのち、ベストミュージックアニメーション賞の選出を行いました。
今年のベストミュージックアニメーション賞は、チェコとエストニアで活動するレーネ・レクシェ氏とジュリー・チェルナ氏が手がけた『Pařezy』が授賞しました。
審査員の斎藤圭一郎氏は、「素朴でありながら豊かなアニメーション表現に取り組んでいる。遊び心あふれるデザインやルックで見る側をとても楽しませてくれる作品として評価した」と授賞理由を述べました。
また、功績を称えるために贈られる「スペシャルメンション」としてオオクボリュウ氏が選ばれました。オオクボ氏は「予想していなかったことでとても嬉しい」と喜びを述べました。またこれまで幅広く活動してきた同氏は、今後の展望について聞かれると「キャラクターの設定やストーリーなど大きな物語をつくることはまだやれていないので、自分の考えていることを伝えていけたら」と語りました。

音楽とアニメーションはとても相性の良いフォーマット
今回の審査について、斎藤氏は「絶対的に良い作品ばかりでどれが受賞してもよかった。審査はとても難しく、今回審査する側になって初めて分かることがある。これからもアニメーションの未来に期待して、見届けていきたい」と話しました。
羅 絲佳 <ラ・シカ>氏は「このミュージックアニメーションコンペティションは、大きなスクリーン、最高の音響で作品を見るという幸せな経験ができる。どの作品もユニークでした。音楽とアニメーションはとても相性が良いフォーマットなので、いろんなジャンルのアニメーションを楽しんでもらいたい」とこのコンペティションの総評として締めくくりました。

新千歳空港ターミナルビルを舞台に11月21日より開催している「第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭」では、設立10周年を迎えるスタジオ「TECARAT(テカラ)」による特集上映と特設会場での単独講演「スタジオトーク:TECARAT(テカラ)「TECARAT 10年の歩み」」としてトークプログラムが開催されました。
今回のトークでは、プロデューサーの及川雅昭さん、日下部泰寛さん、監督の八代健志さん、そして次回作の監督を務める廣木綾子さんが登壇し、シリーズ誕生のきっかけや制作の背景、この先の展望を語りました。
TECARAT、10年の歩み
TECARATは、太陽企画の美術部門として2015年に設立されました。きっかけとなったのは、プラネタリウム向けに制作した『ノーマン・ザ・スノーマン 〜北の国のオーロラ 〜』(2013年)。予想以上の反響を受け、次作『眠れない夜の月』を経て、TECARATが誕生しました。
名称の“TECARAT(てから)”には、「手から生まれるものづくり」の意志が込められています。八代さんは、「分業を前提とした制作ではなく、数人のチームで手作業を通じて表現を作り上げることで、新しい発想や自由な表現が生まれた」と振り返ります。立体的な造形と緻密な美術が一体となる“非分業”のスタイルは、TECARATの個性を形づくってきました。

廣木さんは、「分業にとらわれず、全員が作品全体に関わる環境で、自分の手で考えてつくる経験が大きかった」と当時を振り返り、日下部さんは、「100年後も残る映像を目指して」という理念を掲げ、次世代に伝わる映像づくりへの想いを語りました。
『ノーマン・ザ・スノーマン』シリーズの魅力
『ノーマン・ザ・スノーマン』は、少年の成長と親子の絆を描いた温かな物語として、多くの人に愛される作品です。シリーズはもともと、プラネタリウム向けのオリジナル作品として構想されたものでした。及川さんは「300館を超える全国のプラネタリウムで上映する作品を作りたいと思った」と語り、当時一人で人形アニメーションを制作していた八代さんの短編を見て「この世界観を物語にしたい」と声をかけたことが始まりだったと振り返りました。「天文にまつわる要素を入れるというルールだけ決めて、あとは自由に作ろうというところから始まったんです」と、創作の原点を明かします。
八代さんは、「雪国で過ごした子どもの頃の記憶や、親が子に雪だるまを作ってあげる光景などをもとに物語を組み立てた」と話し、作品に込めた郷愁や家族の想いを語りました。
最新作『こどもたちのひとつ星』、初のティザー映像公開
イベントでは、シリーズ最新作『ノーマン・ザ・スノーマン 〜こどもたちのひとつ星〜』のティザー映像が初披露されました。物語の舞台は前作から数年後。成長した少年が久しぶりに故郷へ帰り、母親との再会や、雪の華を探す謎のこどもとの出会いから始まる物語となります。

日下部さんは「青年期の繊細な感情や、母親との関係性を丁寧に描きたい」と語り、物語のテーマについて触れました。さらに本作では、これまで監督を務めてきた八代さんから廣木さんへとバトンが渡されます。新たな監督としての思いを問われた廣木さんは、「これまでの世界観を壊さずに受け継ぎながらも、男の子を育てている母親として子に向ける目線など、自分らしい表現を大切にしていきたい」と力を込めました。
作品は2026年12月から全国のプラネタリウムで上映予定。過去2作とあわせた三部作としての劇場公開も計画されており、今後の展開にも期待が高まります。最後に日下部さんは、「公式サイトやSNSで情報を発信していきます。来年の冬を楽しみにしていてください」と語り、会場からは大きな拍手が送られました。
手づくりの温度を未来へ――TECARATが目指すこれからの10年に向けて
イベントの終盤では、TECARATのメンバーが次の10年への展望を語りました。
八代さんは「長編映画の制作に挑戦したい」と意欲を示し、「非分業の良さを活かしながらも、分業と協働を両立させる新しい形を探りたい」と語りました。
及川さんは「10年でTECARATの名前を知ってもらえるようになった。次の10年は“100年後も残る組織”をつくっていきたい」と述べました。

廣木さんは「今は目の前の制作で精一杯ですが、1本1本の積み重ねが未来につながると信じて頑張りたい」と話し、日下部さんは「この場所が続いていくこと自体が大切。新しい代表作を自分の手で生み出したい」と抱負を語りました。
最後に八代さんが「水面下で進めている新しい企画もあります。長く応援していただければうれしいです」と来場者に感謝の言葉を伝え、10周年の節目を締めくくりました。

第12回開幕、世界のフィルムメーカーが集結。開港100年を記念したプロジェクトも始動
北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港を舞台に、今年で第12回となる「新千歳空港国際アニメーション映画祭」が、本日11月21日(金)に開幕し、新千歳空港ターミナルビル4階 シアター1にて執り行われた開会式には、コンペティション作品にノミネートされた世界各国のアニメーターをはじめ、ゲスト・関係者あわせて120名が揃いました。
11月25日(火)までの5日間にわたり開催する本映画祭では、世界中の最新アニメーション作品を上映する他、新千歳空港のさまざまな会場にて、体験展示やトークプログラム等を展開します。

“アニメーション”を世界に向けて発信する新千歳空港へ
常設映画館を有する空港という唯一無二である場で開催する本映画祭は、12年という年月を重ね、国内トップレベルの規模を誇るアニメーション映画祭に成長しました。今年6月に北海道エアポート株式会社 代表取締役に就任した山崎雅生氏は、開催の日を迎えたことに感謝を述べると共に、新千歳空港が来年開港100年を迎える節目の年であることに触れ、「文化的にも豊かで多様な表現を見せてくれる、このアニメーションを世界に向けて発信していき、これからも新千歳空港と共に歴史を重ね、発展していきたい」と意気込みを述べました。
本映画祭チーフ・ディレクターの小野朋子は、世界的に活躍するようになったフィルムメーカーたちが審査員に加わってくれることに感謝し、12年という時間を重ねてきたからこそ実現したと述べ、「毎日、酷いことがたくさん起きている世界で、映画祭の重要な役割は、確固たるコミュニティを形成することです」と映画祭開催の意味に触れ、「誰一人孤立することなく、隣の人に話しかけ、偶然を分かち合う5日間であってほしい」と開幕への思いを強く投げかけました。

また、国際審査員を代表して、今年3月に第97回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したギンツ・ジルバロディス氏が登壇。ギンツ氏は2015年に短編部門入選作家として初めて本映画祭に参加し、今回が3度目の来場となりました。本映画祭に関わることの喜びと共に、「映画祭を通してたくさんの友人が出来た。今年も新しい友人が出来ることを楽しみにしている」と挨拶しました。

開港100年を記念したアニメーション制作プロジェクト「マイエアポート」成果発表
2026年、開港100年を迎える新千歳空港。これを記念し、北海道在住の映像アーティスト・大島慶太郎監督のもとで、市民参加によりひとつの映像を制作するアニメーション制作プロジェクトを展開しています。開会式では、本プロジェクトの成果発表として、制作中の映像を公開しました。

本プロジェクトはロトスコープというアニメーション手法を応用して、ドキュメンタリーとアニメーションを融合させて「飛行機のある風景」を捉えていく試みです。これまで、千歳市内のイベントでワークショップを展開するほか、地域の教育機関や市民サークルなどさまざまな方々の協力を得て、映像の一部となるアニメーション原画を市民参加で制作してきました。
このプロジェクトについて、千歳市を代表し、千歳市長 横田隆一氏が登壇。横田市長は、99年前の住民の呼びかけで小さな着陸地を持ったことが今拠点空港に発展してきた新千歳空港の歴史を振り返り、「空港がある町ならではの文化・歴史を感じるものに仕上がっている」と披露された映像について感想を述べました。また市長自身も原画作りに参加したことも明かし、「この映像が多くの人に愛されることを願っている」と締めました。

また、大島監督は「今後も千歳に残る歴史資料や写真、地域の声をさらに取り入れながら制作を続けていく」と述べ、映画祭期間中には会場内にワークショップブースも設けることと合わせて「本映画祭も空港の歴史の一部を形づくっていると感じている。映画を観にきた方、国内外から参加するゲストやフィルムメーカーにも一コマ描いていっていただきたい」と呼びかけました。

「マイエアポート」プロジェクト制作ワークショップ
●日時:2025年11月22日(土)~24日(月・振) 11:00 – 16:00
●会場:国内線4F オアシスパーク
最後に、本映画祭実行委員長の小出正志は、「応募作品が過去最大数になり、映画祭も大きく成長しました」と関係する全ての方に感謝を述べ、開会宣言によって幕を開けました。

新千歳空港国際アニメーション映画祭
国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、多様な未来につながるアニメーションの体験を提供する70以上のプログラムを展開します。今年もゲストと観客が密接に交流できる独自の場を活かし、アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指します。
開催日時:2025年11月21日(金)〜25日(火) 5日間
場所:新千歳空港ターミナルビル(新千歳空港シアターほか)
なお、映画祭の有料プログラム(新千歳空港シアター、新千歳空港ポルトムホール会場)をご利用の方は、「新千歳空港シアターチケットカウンター」にてチケット半券のご提示で、通常新千歳空港シアターでの映画鑑賞と同様の割引サービスが適用となります。
※無料プログラムはサービス対象外となります。
空港駐車場割引サービスの詳細については以下、新千歳空港駐車場ページをご確認ください。
新千歳空港駐車場
https://www.hokkaido-airports.com/ja/new-chitose/access/parking/
映画祭本祭期間中、新千歳空港館内飲食・物販店舗で【2,000円(税込)以上ご利用のレシート】と【映画祭チケット半券】を、新千歳空港シアターコンセッションに提示いただくと、「お好きなドリンクSサイズ1杯無料」!さらに、「映画祭オリジナルステッカー」もプレゼントします。
特典引換/レシート対象期間:2025年11月21日(金)~25日(火)
条件:以下2点のご提示
①新千歳空港館内飲食・物販店舗で2,000円(税込)以上ご利用のレシート(合算可)②映画祭有料プログラムのチケット半券
特典内容:
・新千歳空港シアターソフトドリンク(Sサイズ) 1杯・映画祭オリジナルステッカー 1枚
ご注意
・2,000円以上のレシートとチケット半券それぞれ1式につき1回のお引換えとなります(4,000円以上のレシートであっても1杯・1枚まで)。・電子チケットも対象となりますのでチケット半券の代わりに、チケット画面(スクリーンショット不可)をご提示ください。なお、期間中のご利用であっても電子レシートや決済履歴のご提示などは対象となりません。
・3、6、12プログラム回数券引換券の半券は対象外となります(回数券で引換えた当日券は対象)。
・特典引換時には、レシートおよびチケット半券裏面にチェックを入れさせていただきます。再提示による複数回の引換はいただけません。
・対象期間外のレシート、映画祭チケットカウンターおよび公式物販のレシートは特典対象外です。
・特典には限りがありますので、期間中であっても上限に達し次第終了となる場合がございます。予めご了承ください。

アニメーション監督の押山清高さんが手がけた映画祭メインビジュアルからデザインした公式グッズを、映画祭会期中(2025年11月21日(金)~25日(火))に新千歳空港シアター内で販売します。
※いずれも税込価格
- ○ クリアファイル:500円
- ○ トートバッグ:1,500円
- ○ 公式カタログ:2,500円
- ○ Tシャツ:S/M/L/XL 各サイズ7,000円
【クリアファイル・トートバッグ・公式カタログ】がついた「12プログラム回数券引換券」は前売のみでの販売となります。詳しくはチケットページをご確認ください。
以下のプログラムは英語から日本語への同時通訳を行います。Zoomを通してご利用いただきますので、観客の皆さまはスマートフォンとイヤホンをご持参の上、ご参加くださいますようお願いいたします。
《対象プログラム》
2025/11/24 11:40 シュペラ・チャデシュ「アナログアニメーションに込める鼓動」
2025/11/24 14:15 ウェールズアニメーションの”いま”
2025/11/24 18:45 メイキングオブ:Flow