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 2024年11月1日(金)~5日(火) 新千歳空港ターミナルビルにて開催

第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭 2024.11.1 – 11.5  新千歳空港ターミナルビルにて開催

NEWS

新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会は、2024年11月1日(金)〜5日(火)までの5日間に渡り「第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」を開催しています。
11月3日(日)のプログラムでは、『映画 すみっコぐらし』や『アグレッシブ烈子』など人気作のアニメ制作を手掛ける株式会社ファンワークスから、代表取締役社長の高山晃氏と監督のラレコ氏を迎えたトークイベントが行われました。

トークイベントの様子
トークイベントの様子

Netflixで大ヒット!『アグレッシブ烈子』の制作秘話と予想外の反響

『アグレッシブ烈子』の予告映像を鑑賞
『アグレッシブ烈子』の予告映像を鑑賞

トークイベントの前半では、高山氏が「弊社では『KAWAII ANIME(カワイイ アニメ)』をコンセプトに、キャラクター性の強いポップでキュートな作品をたくさん作ってきました」と語り、これまでの歩みを振り返りながら、創業時から共にしてきたラレコ監督の作品の数々を紹介し、各作品の制作秘話などについて話しました。

代表作の一つ『アグレッシブ烈子』は、サンリオのキャラクターをアニメ化した人気作品。主人公であるレッサーパンダのOL・烈子が、クセのある上司や同僚との日常に募る怒りをデスメタルの熱唱で発散するというユニークなストーリーです。当初はTBSテレビの「王様のブランチ」で1分アニメとして放送されていましたが、2年間の放送を経て、現在は1話15分のシリーズとしてNetflixで全世界に配信されています。

ラレコ監督はNetflixシリーズ化の話を受けた際、「“ドメスティックなOLあるある”が海外でどう理解されるかわからず、表現のさじ加減に迷い、途方に暮れました」と当時の心境を振り返ります。しかし、Netflix側から「気にせず好きにやってほしい」との言葉をもらい、それが表現の後押しとなったと語りました。

ラレコ監督
ラレコ監督

また、物語の中では、烈子が上司にお茶を汲む場面を盛り込むなど、80年代を意識した職場環境が描かれており、「日本よりも女性の権利が進んでいると思っていた海外からの共感の声が多く、意外でした」と、海外視聴者からの予想外の反応に対する思いを述べました。この作品は海外の大手メディアにも多く取り上げられ、高山氏は「“OLあるある”として始まったものが、#MeToo運動の影響もあり、現代女性を象徴するキャラクターとして海外で評価されたことに驚きました」と話しました。

高山 晃 氏
高山 晃 氏

「絵コンテは使わない」「デスボイスを自宅で収録」ラレコ監督が明かすアニメ制作の舞台裏

聞き手を務めた「TOCHKA(トーチカ)」
聞き手を務めた「TOCHKA(トーチカ)」

トークイベントの後半では、映像ユニット・TOCHKA(トーチカ)によるインタビューや観客から寄せられた質問にも答えました
制作過程に関するインタビューでは、一般的なアニメ制作が絵コンテを使用する中、ラレコ監督は絵コンテを作らず、頭の中のイメージをフラッシュ上で動くコンテとして形にし、そこに音楽や歌を加える独自の手法を明かしました。NHK Eテレで放送中の『チキップダンサーズ』については、監督自らが全キャラクターの声当てを渾身の演技で行い、ビデオコンテの段階でセリフのタイミングまでしっかり詰めているとのこと。イベントでは、この監督の声入りビデオコンテが特別に披露され、会場を盛り上げました。
また、ラレコ監督は本編でも声の出演を一部担当。その一つである『やわらか戦車』では高い声質が特徴で、TOCHKAから「ボイスチェンジャーを使っているのか」と質問されると、「録音時にゆっくり喋り、再生を1.3倍速にすることで自然な高い声を実現している」と制作の工夫を明かしました。
さらに、『アグレッシブ烈子』では、主人公の烈子が怒りを表現するデスボイスで歌うシーンも監督自身が担当しているとのことです。その収録はスタジオではなく自宅で行っており、「自宅には防音室がないので、近所の人には聞こえていると思う」と笑いを交えながら語りました。

観客からは、専用のチャットを通してリアルタイムで質問を募集。「使っている制作ツールは何ですか」「キャラクターの成長は考えないのでしょうか」「ターゲットや視聴者層はどのように設定していますか」「カラオケやアニメにメタル音楽がもっと取り入れられれば良いと思いますか」など、多種多様な質問が寄せられました。

質問用チャットにアクセスするためのQRコードを読み込む観客
質問用チャットにアクセスするためのQRコードを読み込む観客

最後に、TOCHKAから今後の展望について聞かれた高山氏は、「海外で『KAWAII ANIME』というキーワードでプレゼンを行うと非常に反応が良いです。『カワイイ』という言葉が世界に浸透しているのは、さまざまな企業によって作られてきたカルチャーだと実感しています。世界のエンターテイメントが変革の時を迎えている中、ファンワークスはあまり大きい会社ではありませんが、小回りが利くからこそ新しいことや面白いことにどんどん挑戦していけたらいいなと思っています」と締めくくりました。

ゲスト

高山 晃氏

高山 晃

株式会社ファンワークス 代表取締役社長(ファウンダー) 2005年、ファンワークス創業。「やわらか戦車」、「アグレッシブ烈子」、「映画すみっコぐらし」、「クリプトニンジャ咲耶」、「とむとじぇりーごっこ」、「チキップダンサーズ」、「アニメ ざんねんないきもの事典」など様々なKAWAII ANIMEの企画、プロデュースに関わる。

ラレコ氏

ラレコ

WEB アニメ初の大ヒット作品となった「やわらか戦車」をきっかけに、「ちーすい丸」(NTV)や「ガッ活!」、「目玉焼きの黄身、いつつぶす?」、「英国一家、日本を食べる」、現在絶賛オンエア中の「チキップダンサーズ」(いずれもNHK)などのTVアニメシリーズの監督を手がける。2018年にNetflixシリーズ「アグレッシブ烈子」の全世界配信を開始し、ワールドワイドな話題作となり全5シリーズまで展開。

新千歳空港国際アニメーション映画祭

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